塾に追いつけなかった事態を想定して決める

『中学受験塾に通うのはいつからがいいか?』

という質問をよく受けますが、

ぼくの回答は

『塾に追いつけなかった事態を想定して決める』

というのが回答になります。

目次

早めに塾に通わせるメリット

遅いスタートでも間に合う例

小4くらいから通い始め、

小4〜小5の間に基礎をつくり

小6で受験モードに…

というのが一般的かと思いますし、

それが一番“安全策”だと思います。

小6で出題される算数などでは、

積み重ねがないと、

・応用問題は確実に理解不能

・見るだけで嫌になる

という現象が起きます。

よほどの理系の才能がある子で、

「この問題が解けないのはなぜだろう?」

と自ら気づき、

「その問題の基礎部分を学び直そう」

という自走心のある子であれば、

遅いスタートでも間に合うと思います。

しかしぼくが見てきた限りは、

そういう自走心がある子も

結局は親御さんの教育投資が背景にあり

・昔から算数の塾に行ってた

・地頭トレーニングなど英才教育を受けていた

ような子に基礎体力があるため

可能になることであり、

“いかにも天才に見える”のであり、

真の天才というのは見たことがありません。

ボクシングの井上尚弥

野球の大谷翔平

バスケの八村塁

テニスの大坂なおみ

のような面々の、

勉強バージョンの子がいれば

遅くから始めても圧倒的な成果を

出すのかもしれません(笑)

ぼくの中学受験談

ちなみにぼく自身は

小6の春に父親が

“同僚の息子さんが筑駒に入った”

ということを聞きつけ、

「お前も塾に行け」と塾に入りました。

何の戦略もない完全なる父親の気分で、

受験戦争に駆り出されました(笑)

結果ぼくが入った学校は偏差値55くらいの学校。

結果としてはハイレベルに合格できたかというと、Noです。

しかも、ぼくの通っていた中学の入試問題は、

簡単な基礎問題で構成されていました。

スタートが遅かったですが、

「簡単な問題ならできる」という感覚がありました。

なので、他に受験した

難しい問題や少し応用問題がよく出される中学は

見事に全て落ちました。

これは余談ですが、

今、家庭教師で色んな子を見ている中で

なにをやってもどんなにお金をかけてきても

成績が伸びない子がいるのを知り、

「よくあの時期からの受験で入ったよ」

「あんななんの戦略も無いのに、

短期間で合格したのはすごいことなんだぞ!」

と父親に自画自賛したり熱弁したりしています(笑)

しかしそこも少しカラクリがあります。

その当時の話。

ぼくはそれまでミニバス(小学校のバスケットボールチーム)に低学年から入っていました。

小6に上がったらスタメン確実。

「おれらの代は頑張って勝ち進んでいこう!」というところで、

受験でチームを抜けることになり、

チームメイトに合わせる顔がなく、

「これで落ちたら近所中の笑い者になるかもしれない…」という恐怖がありました。

また、公立でしたが小学校のクラスメイトが

中学受験勢が多く、賢い子もたくさんいて

「とにかく恥ずかしい想いをしたくない!」

と毎日思っていました。

明らかな遅いスタートで受験や勉強に自信を持てずにいた中でしたが、そういう“外発的な動機”があり、必死に食らいついて頑張っていたと思います。

メリットまとめ

少し脱線しましたが、

勉強を始める期間が遅いと、

入れる学校のレベルに限界はあると思いますし

(今家庭教師をやっている中で、難関校の問題を見ていると、「この問題は昔の自分は絶対解けなかったな」と思います。)

勉強面以外に、ぼくのエピソードのような

半ば脅迫観念のような強いモチベーションなども必要かと思います。

早めに塾に通わせるデメリット

早ければ良いわけではない

さて。ここまでお伝えすると、

「やっぱり塾に通わせるのは早い方がいいんだ!」

とお思いになるかもしれません。

しかし、早ければいいものでは無い

いうことをお伝えしたいと思います。

各大手塾などでは、

“小1、2コースや低学年コース”があり、

そこに書いてあるのは、

「早めのスタートを切る」

「勉強の本質を掴む」

「未来のための貯金」

などといった謳い文句の数々。

実際本当にその通りだと思いますし、

ぼくもすごく魅力的だな、と思います。

そして高すぎない絶妙な金額。

自分の子供も将来通わせたいなとそそられます。

また、余談ですが、

この世の中は、お金をかけたらかけただけ

良いサービスが得られると思いませんか?(笑)

・賃貸や住宅なら出せる金額が多ければ多いほど、

良い立地、良い間取りに住める

・お金があれば高級車に乗れる

・お金をかければディズニーランドのファストパスを買って列並ばなくて済む(笑)

ぼくは本当にそう思ってるんです(笑)

しかし!

【教育は金で買えない】

これはぼくが出した一つの答えです。

早く通わせなかった方が良かった生徒の例

ここで、昔抱えていた生徒の話をします。

その子は、

某大手受験塾になんと小1から通っていました。

しかしクラスはずっと下の下。

6年まで一回も上がったことがない。

本人も「ぼくにはクラスアップは無理だ〜」と言っていたり、事あるごとに勉強に対してのネガティブ発言を発していました。

そのご家庭はかなりの富裕層で、

要所要所に、

「お金出しとけばなんとかなるんでしょ〜」感がありました。

ぼくからすると高いレベルに順調に至ったり、

偏差値の高い学校に合格するご家庭は、

・塾に行かせるのは当たり前

・家庭教師をつける(これは家庭による)

・家でお母さんお父さんが勉強に参加する

・一致団結して戦ってる雰囲気がある

など、様々な要因を組合せて

良い結果を掴み取っているのですが、

その辺りを全く理解していないご家庭でした。

基礎の基礎すらいつまで経っても出来ない子なのに、

塾選びも、「ハイレベル合格なら○○だろう」と頑なで、

明らかにミスマッチな塾への通塾もされていました。

そういう状況なので、ぼくも必死でまずは、

・自己肯定感を上げること

・とにかく根本的な記憶力を改善すること

・学習管理をすること

本当に大変でした(笑)

ただ、これくらいのサポートをしないと

塾に行かせてるだけでは

足りないということが起こり得ます。

(ぼくも教育業に携わっていなければ、

塾に行ってたらなんとかなるだろう勢だった可能性は大いにあります(笑))

結果なんとかその子は

そこそこの学校に合格は出来たのですが、

ぼくは心の中で

「この子は小5くらいまで

精一杯遊ばせたりスポーツをさせて、

パッと切り替えて塾に行かせた方が、

本人もメリハリがついて勉強に

集中できたんじゃないか

などといつも思っていました。

大金を積んだから結果が出るわけではない

塾や家庭教師も数ある中で、

より高価なサービスを長期間使うことで

結果が保証されればいいのですが、

そういうわけにはいきません。

(もちろんぼくも周りの教育業界の方々も、

対価に見合う働きをしたり、常に自分の指導を進化させようと努力しています)

しかしやはり主役は子供で、

子供というのは、

“塾に行かせてくれた”

“家庭教師をつけてくれた”

などではなく、

“親が並走してくれること”

“どれくらい自分のことを思ってくれているか”

という部分を実は目ざとく見ています。

だから逆に、

とんでもないスパルタ教育だったとしても

“いつも小テストを一緒に丸つけしてくれたりする”

お母さんには懐いてる(笑)

などという例も見たことがあります。

つまり教育は、大金を積んだからと言って、

それだけで、100%良い効果が出るものでもない

と考えておく必要があるのです。

例えば、

塾に子供がついていけなかなった際、

家庭教師のサポートを受けるとします。

塾に行かせながらと考えると、

家庭教師を多くても週に2回くらい頼むような

感じでしょう。

トップレベルの学校に合格するためには、

家庭教師以外での

ご家庭でのカバーが必要となる可能性が高いです。

上にあげた富裕層のご家庭の例は、

少し悪い例に見えてしまったかもしれませんが、

今考えると、

「家庭では勉強に関して自分たちは子供にタッチしないから、いくらでも授業は入って良いし、家庭教師に全て任せる」

という選択をされていたのかもしれません。

そう考えるとこのご家庭は、

“お金をかけて戦う”という戦略を

とっていたと思いますが、

普通なかなかこの選択は取ることができません。

デメリットまとめ

なので、“戦略や見通しも何もなしに”

『塾に早く行かせれば何とかなるだろう』

というのは、

上にあげたような

・サポートが追いつかない問題

・惰性になってしまう問題

などがあり、

非常に危険かとぼくは考えています。

『中学受験塾に通うのはいつからがいいか?』結論

では、冒頭の質問の

『中学受験塾に通うのはいつからがいいか?』

は結局どうしたらいいかというところですが、

【塾に追いつけなかった事態を想定して決める】

これを行って頂きたいと思います。

このような事態でのサポートの例としては、

・お父さんお母さんのサポート

・家庭教師

・個別塾

・知人友人

・通信教育

・塾の先生へ根回し

などがあると思います。

金銭面・体力面・精神面など…

これ踏まえて用意できるか。

もちろん、

偏差値70くらいの学校に入れるとなると、

そもそも周りのライバルが

全てを総動員して戦いに来ますし、

また、表向きには隠していたとしても

実は家庭教師を雇っていた

とかということもありますし、

かなりの覚悟が必要です。

なのでやはり、

「本当に中学受験という勉強に自分の子はどれほど向いているのか」

この辺りも真剣に考えるべきかと思います。

そのために中学受験は

○「中学受験はどのようなものなのか?」

「どのような問題が出るのか?」

「どういう生活になるのか?」

この辺りも事前に調査して決めると

慌てずに良き方向に進めることができると思います。

ここで受験のチャンスは無くなるわけではなく、

高校受験・大学受験もありますし、

また

・中学受験が合う子

・高校受験が合う子

・大学受験が合う子

そういうのも本当にあるということを

ぼくは知っています。

ぜひこのようなことを想定しながら

いい中学受験生活にチャレンジしてみてください。

ぼくは当たり前に

生徒さんとは仲良くなりますし、

親御さんとも相当仲良くなります。

モチベーションや気持ち、状況なども

察知することをとても大事にしています。

一方、ぼくが指導で大事にしているのは

通り一辺倒な指導ではなく、

その生徒さんの成績を上げるために

“本当に必要なこと”を見抜いて、

毎回アレンジして指導をすること。

同じ生徒さんでも

時期によって、気分によって

やるべき内容は変わってくると思います。

自分も変化して成長して、

生徒さんにも変化して成長してもらう。

これがポリシーです。

授業のご相談だけでなく、

受験のお悩み相談なども随時受け付けております。

お気軽に連絡くださいませ。

takao.katakawa@gmail.com

090-9311-0379

素敵な出会いをお待ちしています。

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